近年、語学力向上と異文化理解を深めるために、複数の国を組み合わせた留学プログラムが注目を集めています。
中でも人気なのが、2カ国留学です。この留学スタイルは、効率的に語学を学びながら、幅広い経験を積むことができるとして、多くの学生から支持されています。
この記事では、2カ国留学の特徴や魅力、留意点について詳しく解説していきます。2カ国留学を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
2カ国留学とは?特徴や人気の理由
2カ国留学の特徴や人気の理由について解説します。
2カ国留学とは?
2カ国留学とは、一定期間内に2つの国で留学を行うプログラムのことです。通常、1カ国目では語学習得に重点を置き、2カ国目ではその語学力を活かしながら、現地の文化や専門分野の学習を深めていきます。
留学先の組み合わせは、学生の目的や予算、興味関心に応じて柔軟に選択できるのが特徴です。
2カ国留学では、自分の目的に合わせて留学先を組み合わせることができるため、より効果的で充実した留学生活を送ることができます。
2カ国留学が選ばれる理由
2カ国留学が選ばれる主な理由は、短期間で集中的に語学力を向上させつつ、異文化理解を深められる点にあります。
1カ国目で身につけた語学力を、2カ国目ですぐに実践できるため、効果的な学習が可能です。また、2つの国の文化や生活様式を体験することで、グローバルな視野を養うことができるのも大きな魅力です。
さらに、2カ国留学では、以下のようなメリットも期待できます。
- 多様な人々とのネットワークを築くことができる
- 適応力やコミュニケーション能力が向上する
- 将来のキャリアに役立つ経験を積むことができる
これらのメリットを求めて、多くの学生が2カ国留学を選択しているのです。
2カ国留学の主な流れと期間
2カ国留学の一般的な流れは、まず1カ国目で語学学校に通い、集中的に語学を学びます。この期間は3ヶ月から1年程度が多いようです。
その後、2カ国目に移動し、現地の学校や大学で専門分野の学習や文化体験を行います。2カ国目の期間は、学生の目的によって異なりますが、半年から1年程度が一般的です。
具体的な流れを表にまとめると、以下のようになります。
段階 | 内容 | 期間 |
---|---|---|
1カ国目 | 語学学校に通い、集中的に語学を学ぶ | 3ヶ月~1年 |
2カ国目 | 現地の学校や大学で専門分野の学習や文化体験 | 半年~1年 |
ただし、この流れはあくまで一般的なものであり、学生の目的や事情に応じて、柔軟に調整することも可能です。
2カ国留学のメリット
2カ国留学のメリットについて、具体例を交えながら解説します。
集中的な語学学習による英語力の向上ができる
2カ国留学の大きなメリットの1つは、1カ国目で集中的な語学学習ができることです。特に、フィリピンやマルタなどの英語学習に特化した国では、少人数制やマンツーマンレッスンを受けられる学校が多く、短期間で効果的に英語力を伸ばすことができます。
また、日常生活でも英語を使う機会が多いため、実践的なコミュニケーション能力が身につきます。
2つの国の文化や習慣を体験できる
2カ国留学のもう1つの魅力は、異なる2つの国の文化や習慣を体験できることです。言語だけでなく、食事、生活様式、価値観などを肌で感じることで、多様性への理解が深まります。
2つの国の文化や習慣を体験する際は、以下の点に留意しましょう。
- 現地の人々と積極的にコミュニケーションを取る
- 文化の違いを受け入れ、尊重する
- 自国の文化を相手に伝える努力をする
- 異文化体験を通して、自己の成長につなげる
この経験は、将来のグローバルなキャリアにも役立つでしょう。また、2カ国目での経験は、1カ国目とは異なる刺激を与えてくれるため、留学生活がより充実したものになります。
留学先の選択肢が広がる
2カ国留学では、自分の目的や興味に合わせて留学先を選ぶことができます。語学力向上に重点を置きたい場合は、フィリピンやマルタなどの国と英語圏の国を組み合わせるのがおすすめです。
一方、専門分野の学習を深めたい場合は、その分野で有名な国を選ぶことで、より専門的な知識を得られるでしょう。このように、2カ国留学では、自分のニーズに合わせて柔軟に留学先を選べるのが大きな利点です。
留学先選びは、2カ国留学の重要な要素です。自分の目的をしっかりと見据えて、最適な留学先を選びましょう。
2カ国留学のデメリット
2カ国留学のデメリットを具体的に説明し、対策についても解説します。
トータルの留学費用が高くなる可能性がある
2カ国留学の最大のデメリットは、留学費用が高くなりがちな点です。2つの国での滞在費、学費、渡航費などを合わせると、1カ国での留学と比べて費用が嵩む傾向にあります。
ただし、1カ国目の留学先をフィリピンなどの物価の安い国に設定することで、トータルの費用を抑えることも可能です。費用面では、事前の入念な計画と準備が欠かせません。
具体的には、以下のような費用が発生します。
- 語学学校や大学の授業料
- 住居費(寮、アパート、ホームステイなど)
- 食費や交通費などの生活費
- 渡航費(航空券、ビザ申請費など)
- 海外旅行保険料
- その他雑費(教材費、課外活動費など)
これらの費用を総合的に考慮し、予算内で留学プランを立てることが重要です。奨学金や支援制度を活用するのも良い方法でしょう。
1カ国目の環境への適応に時間がかかる
2カ国留学では、1カ国目の環境に適応するのに時間がかかるというデメリットもあります。特に、文化の違いが大きい国では、生活リズムを掴むまでにストレスを感じることもあるでしょう。
この点は、事前の情報収集と心構えが重要です。また、1カ国目での経験を通して得た適応力は、2カ国目での生活にも役立つはずです。
2カ国目での言語や文化の違いへの対応が必要になる
2カ国留学では、2カ国目に移動した際に、再び新しい言語や文化に適応する必要があります。1カ国目で学んだ言語と2カ国目の言語が異なる場合は、特に注意が必要です。
また、2カ国目での生活様式や価値観の違いに戸惑うこともあるでしょう。これらの課題を乗り越えるには、柔軟性とコミュニケーション能力が求められます。
2カ国目での適応は、1カ国目とは異なる課題ですが、事前に文化について調べたり、あらかじめその国の乗り越えることでさらなる成長が期待できます。
2カ国留学の人気の組み合わせと特徴
フィリピン留学とオーストラリア/カナダのワーホリ
フィリピン留学とオーストラリアやカナダのワーキングホリデーを組み合わせる2カ国留学が人気です。
フィリピンは英語学習に特化した教育環境が整っており、リーズナブルな費用で集中的に英語を学ぶことができます。その後、実践的な英語力を活かしながら、オーストラリアやカナダでワーホリを行うことで、語学力をさらに向上させつつ、異文化体験を積むことができます。
この組み合わせの特徴は以下の通りです。
- 短期間で集中的に英語力を伸ばせる
- ワーホリ先でネイティブスピーカーと交流できる
- 仕事を通して実践的な英語力が身につく
- オーストラリアやカナダの大自然を体験できる
フィリピン留学とワーホリの組み合わせは、語学力向上と異文化体験を同時に叶えたい人におすすめです。
マルタ留学とイギリス/アメリカ留学
マルタ留学とイギリスやアメリカ留学の組み合わせも人気です。マルタは英語の公用語化が進んでおり、英語学習に適した環境が整っています。また、物価がヨーロッパの中では比較的安いため、留学費用を抑えることができます。
マルタで英語力を向上させた後、イギリスやアメリカの大学や語学学校で学ぶことで、ネイティブレベルの英語力を身につけることができます。
この組み合わせの特徴は以下の通りです。
- ヨーロッパの美しい街並みや自然を満喫できる
- イギリスやアメリカの文化や習慣を直接体験できる
- 大学や語学学校に通うことで専門知識を深められる
- 将来の留学やキャリアに役立つ経験が積める
マルタとイギリス/アメリカの組み合わせは、本格的な英語力と欧米文化の理解を目指す人におすすめです。
アジアとヨーロッパを組み合わせた2カ国留学
アジアとヨーロッパを組み合わせた2カ国留学も注目されています。
例えば、韓国やシンガポールで英語を学んだ後、イギリスやフランスに留学するパターンです。アジアの国では、英語教育に力を入れており、比較的安価で質の高い教育を受けられます。
その後、ヨーロッパの国で専門分野の学習や文化体験を行うことで、グローバルな視野を養うことができます。
この組み合わせの特徴は以下の通りです。
- アジアとヨーロッパの多様な文化を体験できる
- 英語以外の言語(韓国語、フランス語など)も学べる
- 東洋と西洋の価値観の違いを肌で感じられる
- 将来のグローバルなキャリアに役立つ経験が積める
アジアとヨーロッパの組み合わせは、多様性に富んだ文化体験と語学力向上を目指す人におすすめです。
2カ国留学を成功させるためのポイント
2カ国留学を成功させるためのポイントについてあらゆる観点から解説します。
目的と予算に合った留学先を選択する
2カ国留学を成功させるためには、自分の目的と予算に合った留学先を選ぶことが大切です。
語学力向上に重点を置くのか、専門分野の学習を深めたいのか、異文化体験を重視するのかによって、最適な留学先は異なります。
また、予算面でも、物価の安い国と高い国を組み合わせるなど、賢く留学先を選ぶ必要があります。
留学先選びのポイントは以下の通りです。
- 自分の目的に合った国や学校を選ぶ
- 予算内で実現可能な留学プランを立てる
- 奨学金や支援制度の活用を検討する
- 現地の治安や生活環境についても確認する
目的と予算に合った留学先選びは、2カ国留学の成功の鍵を握ります。
日本学生支援機構が運営する、海外留学情報サイトでは留学の際に利用できる奨学金が掲載されています。
詳しくは日本学生支援機構が運営するサイトをご覧ください。
学習と異文化への適応のバランスをとる
2カ国留学では、語学学習と異文化適応のバランスを取ることが重要です。1カ国目での集中的な学習と、2カ国目での実践的な経験を上手く組み合わせることで、効果的な学習が可能になります。
また、現地の人々とのコミュニケーションを積極的に行い、異文化理解を深めることも大切です。
学習と異文化適応のバランスを取ることで、充実した留学生活を送ることができるでしょう。
現地での安全対策と健康管理を行う
2カ国留学中は、現地での安全対策と健康管理に十分注意を払う必要があります。留学先の治安情勢や医療体制について事前に調べ、必要な対策を講じましょう。
また、海外での生活では、食事や環境の変化によって体調を崩すこともあるため、自己管理能力が求められます。
実際に、日本学生支援機構が平成30年に行った調査では、留学経験者の23%もの人が留学前に困ったこととして「現地情報収集」をあげていることからも、事前調査は非常に重要だと言えます。
出典:日本学生支援機構 平成30年度「海外留学経験者追跡調査」報告書 2結果の詳細(Q8-Q61) p.33
帰国後のキャリアプランニングを立てる
2カ国留学で得た経験を、帰国後のキャリアにどう活かすかを考えておくことも大切です。留学中に身につけた語学力や異文化適応力、問題解決能力などは、グローバル社会で活躍するための強力な武器になります。
また、留学を経験したうちの55.4%が「今の仕事に役立っている」と回答しました。
出典:日本学生支援機構 平成30年度「海外留学経験者追跡調査」報告書 2結果の詳細(Q8-Q61) p.58
(非常に役立っている16.1%、役立っている39.3%を加算)
このことからも、留学中から帰国後のキャリアプランニングを意識することで、2カ国留学の経験を人生の糧にすることができるでしょう。
まとめ
2カ国留学は、語学力向上と異文化理解を同時に実現できる魅力的な留学スタイルです。
1カ国目で英語の基礎固めをして、2カ国目で留学をして専門性を磨いたり、ワーホリで良い仕事を見つけてしっかりお金を稼ぐことも可能です。
2カ国留学を検討されている場合、留学エージェントへの相談をおすすめします。コンサルタントがあなたの目的・予算に応じた最適なプランを提案してくれます。
ぜひ、自分の目的や希望に合った2カ国留学プランを立て、充実した留学生活を送ってください。