イギリスは留学先として非常に人気なためイギリスでのワーキングホリデーを考えている方も多くいるのではないのでしょうか。
そこで、この記事ではイギリスワーキングホリデービザの概要や特徴、申請条件、申請方法、取得後の準備や手続きなど、イギリスワーホリを実現するために必要な情報を網羅しています。
これからイギリスでのワーキングホリデーを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
イギリスワーキングホリデー制度(YMS)とは
まずは、イギリスの実質的なワーキングホリデー制度であるYMSの概要と、制度の特徴について説明します。
イギリスワーキングホリデー制度(YMS)の概要
YMS(Youth Mobility Scheme)ビザは、イギリスの文化や生活を体験しながら、就労や就学の機会を得ることができる制度です。
18歳から30歳までの日本国籍保持者が対象となっており、最長2年間イギリスに滞在することが可能です。ワーキングホリデーという名称が使われていますが、実際にはYMSビザは就労ビザのカテゴリーに分類されるため、イギリスでの就労が主な目的となります。
YMSビザを取得すれば、イギリスで働きながら語学力を向上させたり、国際的な職務経験を積んだりすることができます。
また、長期休暇を利用して他のヨーロッパ諸国を旅行するなど、充実した滞在を送ることができるでしょう。イギリスは歴史や文化、教育に惹かれる人が多く、YMSビザはそのような魅力を存分に味わえる制度といえます。
イギリスワーキングホリデー/YMSビザでできること・できないこと
YMSビザで可能なことと制限されていることを理解しておくことは、イギリスでのワーキングホリデーを有意義なものにするために欠かせません。
YMSビザでは、以下のようなことが可能です。
- 最長2年間のイギリス滞在
- フルタイムでの就労(一部の職種は条件あり)
- 制限のない就学(長期の学位プログラムを除く)
- 他国への旅行
最大の魅力は、イギリスで2年間働きながら生活できることでしょう。現地で働くことで、語学力の向上だけでなく、国際的な職務経験を積むことができます。また、休暇を利用してヨーロッパ各国を旅行するなど、充実した滞在を送ることも可能です。
一方、YMSビザでは次のようなことはできません。
- 失業手当や公的資金の利用
- 永住権の申請
- 扶養義務のある子どもの同伴(該当者がYMSの申請条件を満たす場合は除く)
- 長期の学業プログラム(フルタイムの長期学位プログラムなど)
YMSビザは、あくまでも一時的な滞在を目的としたビザであるため、永住権の申請はできません。また、公的資金の利用が制限されているため、滞在中は自己資金で生活する必要があります。
他にも、扶養義務のある子どもの同伴や学位を取得するための長期プログラムなどには参加できません。
イギリスワーホリを通して、語学力の向上や国際的な経験を積むことができるのがYMSビザの大きな魅力ですが、一方で制度の特性をよく理解し、できることとできないことを把握しておくことが重要です。
イギリスワーキングホリデー/YMSビザの申請条件
YMSビザを申請する際には、いくつかの条件を満たす必要があります。申請前に、自分が条件を満たしているかどうかを確認しておきましょう。
YMSビザの主な申請条件は以下の通りです。
- 日本国籍を有すること
- 申請時点で18歳以上30歳以下であること
- 2,530ポンド(およそ50万円)以上の自己資金を有すること
- 申請時にイギリス国外に合法的に滞在していること
- 扶養義務のある子供や配偶者を同伴しないこと(配偶者も申請条件を満たす場合は除く)
- 過去にYMSや旧ワーキングホリデー制度でイギリスに渡航していないこと
年齢制限に関しては、18歳から30歳までが対象となっており、31歳の誕生日を迎える前に、ビザの申請を完了させる必要があります。また、一定額以上の自己資金を有していることを証明する必要があるため、銀行残高証明書の用意が必要です。
申請時期によって定員枠の残数が変動するため、応募条件を満たしていても、必ずしもビザが取得できるとは限りません。そのため、早めに準備を始めることをおすすめします。
イギリスワーキングホリデー/YMSビザのオンライン申請方法
YMSビザの申請は、オンラインで行います。申請の流れを理解し、必要な書類を準備しておくことが大切です。
オンライン申請
YMSビザの申請は、英国政府のウェブサイトからオンラインで行います。
まず、上記ページにアクセスし、ページ中部にある「Apply online」をクリックします。その後は、イギリスでどこに住むつもりかやパスポートを持っているかなどの基本的な質問に回答します。
その後、生体認証機能付きのパスポートをアップロードする必要があります。この際、生体認証機能がついているか不安になる方もいるかと思いますが、現在日本国籍の有効なパスポートは全てこの機能が備わっています。
その後、個人情報などの情報を入力を行い、基本事項の入力は完了となります。
ビザ申請料とIHS保険料の支払い
基本事項の入力が完了したら、ビザ申請料とIHS保険料の支払いを行う必要があります。
ビザ申請料は298ポンド、IHS保険料は通常で年間776ポンド(2025年1月現在)です。クレジットカードやデビットカードで支払いを行います。
料金は変更される可能性があるため、以下から申請時に改めて確認することをおすすめします。
出典:Youth Mobility Scheme visa
ビザ申請センターでの手続き
オンライン申請後、ビザ申請センターでの指紋採取と写真撮影の手続きが必要です。
日本では、東京と大阪にビザ申請センターがあります。ビザ申請センターから予約の上、指定された日時に訪問し、指紋と写真の登録、パスポートや渡航文書などの必要書類の提出を行います。
ビザ申請センターでの手続きは、申請者本人が行う必要があるため、事前に必要書類を準備し、予約日時に遅れないようにしましょう。
ビザの発給
ビザ申請センターでの手続き後、ビザの審査が行われます。審査に問題がなければ、パスポートにビザが貼付され、申請者の手元に返却されます。
イギリスワーキングホリデー/YMSビザ取得後の準備と手続き
YMSビザの取得後は、イギリス渡航前と到着後に必要な準備や手続きがあります。スムーズに渡航・滞在ができるよう、早めに準備を始めましょう。
イギリス渡航前の準備
YMSビザを取得できたら、イギリス渡航前に以下のような準備が必要です。
- 航空券の手配
- 海外保険への加入
- 現地での滞在先の確保
- 必要な持ち物の準備
渡航前の準備は、時間がかかることもあるため、計画的に進めることが大切です。
イギリス到着後の手続き
ビザの申請だけでなくイギリス入国後にも必要な手続きはいくつかあります。
BRPカードの受け取り
イギリス到着後、指定の郵便局でBRP(Biometric Residence Permit)カードを受け取る必要があります。
BRPカードは、イギリスでの滞在許可を証明する重要な身分証明書で、様々な手続きで必要になります。
受け取りの際は、パスポートと、ビザ申請時に発行されたデシジョンレターが必要となります。
NIナンバー(国民保険番号)の取得
イギリスで働くためには、NIナンバー(National Insurance Number)を取得することが推奨されています。
NIナンバーはなくても就労できますが、国民保険料の納付や税金の手続きに必要な番号で、職場で求められることも多いためなるべく早く取得することがおすすめです。
取得するにはオンラインで申請を行います。申請の際は、パスポートやBRPカードなどの身分証明書が必要です。
銀行口座の開設
イギリスでの生活や仕事に必要になるため、銀行口座の開設も必要でしょう。
口座開設には、パスポート、BRPカード、住居の証明(賃貸契約書や公共料金の請求書など)が必要です。事前に必要書類を確認し、予約を取ってから銀行へ行くとスムーズです。
携帯電話の契約
イギリスではプリペイド式のSIMカードを購入するのが手軽です。しかし、長期滞在の場合は月々の支払いでお得な契約プランがおすすめです。契約の際は、パスポートやBRPカードなどの身分証明書と、銀行口座の詳細が必要になる場合がほとんどです。
まとめ
イギリスでのワーキングホリデーは、語学力の向上やキャリアアップ、視野を広げる絶好の機会です。YMSビザは、18歳から30歳までの日本国籍保持者を対象とした、就労や就学が可能な制度です。
イギリスの文化や歴史、多様性に触れながら、語学力を磨き、国際的な経験を積むことができます。
この機会を活かし、充実したイギリス滞在を送ってみてはいかがでしょうか。YMSビザに関する情報を参考に、しっかりと計画を立て、ワーキングホリデーを実現させましょう。