カナダのワーキングホリデービザは、18歳から30歳までの日本人が最長12ヶ月間カナダに滞在し、旅行や語学学習、就労を経験することができる資格です。
本記事では、カナダワーキングホリデービザの概要や魅力、申請準備、申請手順、渡航前の準備などを詳しく解説します。カナダワーキングホリデーに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
カナダのワーキングホリデービザの概要
カナダのワーキングホリデービザは、正式名称を「International Experience Canada(IEC)」といい、カナダ政府が提供する18歳から30歳までの若者向けの特別なビザです。
最長12ヶ月間カナダに滞在することができ、観光や語学学習だけでなく、就労体験ができるのが大きな特徴です。通常の就労ビザとは異なり、ワーキングホリデービザではスポンサーや事前の職探しは不要です。
ワーキングホリデービザで得られるのは、オープンワークパーミット(Open Work Permit)と呼ばれる就労許可で、カナダ国内のほとんどの職種および勤務地で働くことが可能です。
ワーキングホリデービザ申請の準備
ワーキングホリデービザの申請には、参加資格や条件、必要な語学力、提出書類、費用などについて、事前に理解しておく必要があります。ここでは、申請準備に欠かせない情報を詳しく見ていきましょう。
カナダワーキングホリデーの参加資格と条件
カナダのワーキングホリデープログラムに参加するには、以下の資格と条件を満たしていることが求められます。
- 日本国籍を有する18歳から30歳までの方(申請時点で18歳以上30歳以下であること)
- 有効なパスポートを保持し、カナダ滞在予定期間よりも長い残存期間があること
- 滞在費用として、最低2,500カナダドル相当の資金を有していること
- カナダ滞在中の医療保険に加入すること
- カナダ入国許可を得られること(過去の犯罪歴などによる入国拒否の可能性がないこと)
- カナダから出国する往復航空券を保持しているか、購入できる資金を有していること
- 過去にカナダでのワーキングホリデー就労許可証の発給を受けていないこと
これらの条件を満たしていれば、原則としてカナダのワーキングホリデープログラムに申請することができます。ただし、カナダのワーキングホリデービザ発給数には限りがあるため、申請者多数の場合は抽選になる可能性もあるため、必ず参加できるとは限りません。
申請に必要な語学力と対策
カナダのワーキングホリデーでは、現地での生活や就労に必要な英語力が求められます。ビザ申請時に語学力の条件はありませんが、渡航までにある程度の英語力を身につけておくことが大切です。
英語力の目安としては、以下のようなスコアを参考にするとよいでしょう。
英語試験 | 目安スコア |
---|---|
TOEIC | 700点以上 |
TOEFL iBT | 61点以上 |
IELTS | 5.5以上 |
これらのスコアは、カナダの語学学校で求められるレベルでもあります。しかし、これらを大きく下回る英語力でもワーキングホリデーに参加することは可能です。
大切なのは、渡航までに英語学習に取り組み、コミュニケーションに必要な英語力を身につけることです。日本国内では、英会話学校やオンライン英会話、語学留学などを活用し、実践的な英語力を養いましょう。
ワーキングホリデービザ申請に必要な書類と費用
カナダのワーキングホリデービザ申請には、以下の書類が必要です。
- パスポートのコピー
- 家族情報フォーム(IMM5707)
- 英文の履歴書
- 証明写真
- 犯罪経歴証明書 ※要求された場合のみ
- 健康診断書 ※要求された場合のみ
犯罪経歴証明書は、18歳以降に6ヶ月以上滞在していた国がある場合に提出を求められることがあります。
健康診断書は、過去1年以内に6ヶ月以上、指定の国に滞在していた場合や、医療・介護・教育分野で働く予定がある場合に求められます。
他にも特定の条件のもと必要になる可能性のある書類がいくつかあります。具体的な書類に関してはカナダ政府HPをご覧ください。
また、これらの書類に加え、カナダのワーキングホリデービザには申請費用がかかります。具体的な金額は以下の通りです。
費用項目 | 金額 |
---|---|
IECプログラム参加費 | 179.75カナダドル |
ワークパーミット発行費 | 100カナダドル |
バイオメトリクス費用 | 85カナダドル |
渡航費や滞在費、海外保険料なども別途必要になるため、十分な資金計画を立てておくことが大切です。
カナダワーキングホリデービザの申請手順
カナダのワーキングホリデービザの申請は、すべてオンラインで行います。ここでは、申請手順を段階的に説明していきます。
GCKeyとアカウントの作成方法
ワーキングホリデービザの申請は、カナダ政府の公式サイト内の「My IRCC」から行います。
ページ下部にある「Register for an account」をクリックします。
その後、「Register with a GCKey username and password」をクリックし、次のページに進みます。
この画面になれば「Sign Up」をクリックし、ユーザーネームやパスワード、秘密の質問、復旧用のメールアドレス等を入力します。その後、メールアドレスに届いた認証キーを入力します。
その後二要素認証の登録を行い、アカウントを作成します。
この画面が表示されたら、パスポート情報と揃えて個人情報を入力します。
その後秘密の質問を登録を終えるとアカウントの作成が完了します。
IEC申請
先ほど作成したアカウントの初期画面から、「Apply to come to Canada」をクリックします。
その後、次の画面で「International Experience Canada(IEC)」を選択し、生年月日や国籍、居住国を選択します。
続いて、質問票に回答していきます。IECの資格があるかどうかの質問なため、正直に答えましょう。
質問票に回答し、必要事項を入力すると、IECプロフィールの作成が完了します。プロフィールはカナダ政府によって審査され、問題がなければIECプールに登録されます。
eServiceの登録
IECプロフィールへの登録が完了したら、次はeServiceへの登録を行います。
上から3番目のものはここまでの申請で完了となっています。そのため、ここでは他の3つの登録を行います。
ここでは、個人情報や連絡先、応募情報などの入力を行います。入力が全て完了すると、受付完了のメールがカナダ移民局から届きます。このメールが届けばビザの申請は全て完了となります。
Invitation Letter(招待状)の受け取りとWork Permit申請
IECプールに登録されると、ランダムに選ばれた候補者にInvitation Letter(招待状)が送られてきます。
ワークパーミット申請では、再度アカウントにログインし、家族情報フォーム(IMM5710)の質問票に回答します。
この際、事前に用意した英文履歴書や家族情報フォーム(IMM5707)の内容と齟齬がないよう注意しましょう。入力内容に不備や虚偽があると、ビザ発給が遅れたり、不許可になる可能性があります。
申請フォームの入力が完了したら、内容を確認し、電子署名を行ってフォームを送信します。これでワークパーミット申請は完了です。
必要書類のアップロードと申請料の支払い
ワークパーミット申請の次のステップは、必要書類のアップロードと申請料の支払いです。
アカウントの「Your Document Checklist」から、以下の書類をPDFでアップロードします。
- パスポートのコピー
- 家族情報フォーム(IMM5707)
- 英文の履歴書
- 証明写真
- 犯罪経歴証明書 ※要求された場合のみ
- 健康診断書 ※要求された場合のみ
書類は、スキャンまたはデジタルカメラで撮影し、解像度が十分高く、情報がはっきり読み取れるものを用意しましょう。
書類のアップロードが完了したら、申請料の支払いに進みます。支払いはクレジットカードで行います。
支払いを完了すれば、いよいよビザ申請は最終段階に入ります。
バイオメトリクス(指紋と顔写真)の登録方法
ワーホリビザ申請の最終段階は、バイオメトリクス(指紋と顔写真)の登録です。
バイオメトリクスの手続きは日本語でVFS Globalから行うことができます。
バイオメトリクス登録が完了すれば、ビザ申請のすべての手続きが終了します。あとは審査結果を待つだけです。審査には2~8週間ほどかかるため、結果が出るまでは気長に待ちましょう。
カナダでのワーホリ生活の準備
カナダでのワーホリ生活を充実したものにするためには、渡航前の入念な準備が欠かせません。ここでは、出発前の準備や現地での生活立ち上げに必要な情報をお伝えします。
渡航前の準備とチェックリスト
カナダに出発する前に、以下のような準備を進めておきましょう。
- 航空券の手配
- 海外旅行保険への加入
- 現地での滞在先の確保
- 留学先の語学学校の選択と手続き
- 国際キャッシュカードや海外用SIMカードの準備
- 持ち物リストの作成と荷造り
-
特に、海外旅行保険への加入は必須です。カナダの医療費は非常に高額なため、万一の事故や病気に備えて、十分な補償内容の保険に加入しておく必要があります。
また、現地での滞在先は、出発前から手配しておくことをおすすめします。特に語学留学を予定している場合は、学校のレジデンスやホームステイ、学生寮などの選択肢があります。
出発前の準備は、時間的にも精神的にも余裕を持って進めることが大切です。最終的な持ち物チェックリストを作成し、出発日までに必要なものが揃っているか確認しましょう。
現地での生活初期に必要なこと
カナダに到着したら、以下のような準備が必要です。
住まいの確保
ワーホリの目的に合わせて、住まいを確保します。短期滞在ならホステルやエアビーアンドビー、中長期滞在ならアパートやシェアハウスといった選択肢があります。
特にバンクーバーやトロントのような大都市部では、家賃が高騰しているため、シェアハウスは費用を抑えられる上に、ルームメイトから現地の情報を得られるメリットもあります。
銀行口座開設とSINナンバー取得
カナダでの生活に欠かせないのが、銀行口座の開設とSINナンバーの取得です。
銀行口座は、デビットカードでの買い物や家賃の支払い、給与の受け取りに必要です。口座開設には、パスポートとワークパーミット、現地の住所が証明できる書類(レンタル契約書など)が必要です。
SIN(Social Insurance Number)は、カナダで働くために必要な番号で、雇用主に提示する必要があります。SINの取得は、Service Canadaのオフィスで行います。
携帯電話と保険の手配
カナダでの生活に欠かせないのが、携帯電話の確保です。日本の携帯電話は、SIMロックを解除すれば現地でも使用できますが、通話料が高額になる可能性があるため、現地のプリペイドSIMを利用するのがおすすめです。
まとめ
カナダでのワーキングホリデー生活は、事前に入念な準備をすることや、現地での生活の始め方についての知識と行動力があれば、充実したものにできるでしょう。
ワーキングホリデーのビザの申請方法や事前の準備方法、現地での生活の始め方など、この記事を参考にしていただけると幸いです。