近年、グローバル化が進む中で、子どもの教育に力を入れる家庭が増えています。その一環として注目を集めているのが、親子で一緒に海外に滞在し、語学や文化を学ぶ「親子海外留学」です。
しかし、いざ親子海外留学を計画しようしても、留学スタイルや留学先、費用など、考慮すべき点が多岐にわたり、戸惑ってしまう方も少なくありません。
この記事では、親子海外留学の基本的な情報から、メリットとデメリット、準備と手続きまで、わかりやすく解説します。親子海外留学を検討している方はもちろん、海外教育に関心のある方にも役立つ情報が満載です。
親子海外留学の基礎知識
親子海外留学について、まずは簡潔に説明します。
親子海外留学とは？
親子海外留学とは、保護者と子どもが一緒に海外に滞在し、語学や文化を学ぶ留学スタイルのことを指します。
親子海外留学が注目される理由
英語が必要とされる機会が増えている現代社会において、子どもの英語教育に力を入れる家庭が増えています。
親子海外留学は、子どもの語学力向上や国際感覚の養成に効果的であると考えられているため、注目を集めています。
親子海外留学の主な目的
親子海外留学の主な目的は、子どもの語学力向上を始め、異文化体験、国際感覚の養成などです。また、親子の絆を深めるという目的もあります。
親子海外留学のスタイル
親子海外留学には様々なスタイルがあり、家族のニーズや予算に合わせて選ぶことができます。
親子で一緒に語学学校に通うスタイル
このスタイルでは、親子で一緒に語学学校に通います。親は大人向けのクラス、子どもは年齢に合ったクラスで学びます。親子で同じ学校に通うことで、お互いの学習状況を把握でき、サポートし合うことができます。
親は語学学校、子どもは現地の学校に通うスタイル
このスタイルでは、親は語学学校に通い、子どもは現地の幼稚園や学校に通います。子どもは現地の子どもたちと交流することで、自然に語学力を身につけることができます。
親は、語学学校で学びながら、子どもの送り迎えや生活のサポートを行います。
親子でホームステイするスタイル
このスタイルでは、親子で現地のホストファミリー宅にホームステイします。ホストファミリーとの交流を通して、生きた英語を学ぶことができます。
また、現地の文化や習慣を直接体験できるのも魅力です。
その他の親子海外留学スタイル
上記以外にも、親子海外留学にはさまざまなスタイルがあります。
例えば、親子で現地の語学学校に通いながら、アパートメントに滞在するスタイルや、親は語学学校に通わず、子どもの送り迎えや生活のサポートに専念するスタイルなどです。
親子海外留学の準備と計画
親子海外留学を成功させるためには、入念な準備と計画が不可欠です。留学期間や滞在先、予算など、さまざまな要素を考慮する必要があります。
親子海外留学の留学期間の選び方
親子海外留学の期間は、1週間程度の短期から1年以上の長期まで、さまざまです。子どもの年齢や学校の都合、予算などを考慮して、最適な期間を選びましょう。
短期留学は、長期休暇を利用して気軽に参加できるのが魅力です。一方、長期留学は、語学力の向上や異文化適応力の養成により効果的です。
人気の親子海外留学先と特徴とメリット
親子留学の人気の行き先には、それぞれ特徴やメリットがあります。以下では、注目を集める国の詳細をご紹介します。
オーストラリア
オーストラリアは、銃の所持が禁止され犯罪が少ないことから、親子留学に人気の国です。滞在しやすい環境が整っており、留学プログラムも豊富です。
オーストラリアの親子留学に必要な費用の目安は、全て含めて1か月で約55～99万円、1年間で440～825万円です。
オーストラリアに親子留学するメリットは、子どもの英語力にあわせた語学スクールがあること、親向けに幅広い学びの場があることです。
また、自然が豊かなオーストラリアでは、日本では見られない動物が多く生息しており、余暇活動として外出しながら現地の言葉や雰囲気を楽しめます。
ニュージーランド
ニュージーランドは、教育の質が非常に高いと評価されている国です。洗練された教育プログラムに加え、異文化と交流しやすい環境が、自然に使える英語力を磨く場として優れています。
ニュージーランドの親子留学に必要な費用の目安は、全て含めて1か月で約44〜99万円、1年間で385～660万円です。3ヶ月以内であればビザ代は不要ですが、渡航目的にあわせて選ぶ必要があります。
ニュージーランドに親子留学するメリットは、国民性がフレンドリーで不安が少なく、留学生を受け入れる学校の基準が明確化されており、質の高い学びを得られることです。
豊富なプログラムとレベルの学校が揃っているため、事前に資料をよく確認して通うべき場所を見つけておくと良いでしょう。
ただし、時差があって季節が反転しているため、体調管理には気をつけておく必要があります。
フィリピン（セブ島）
フィリピンは、親子留学先として近年急速に人気が高まっています。日本から4時間ほどで渡航でき、物価が安く、質の高い英語教育を受けられるのが最大の魅力です。
また、午前中で大抵の授業が終わる欧米諸国とは違い、1日の授業が多く開講されています。このことから、自分の学習ペースにあわせて短期間で学ぶこともできるフィリピンでは、様々なプログラムや語学学校を選ぶことができます。
フィリピンの親子留学に必要な費用の目安は、全て含めて1か月で約15～30万円、1年間で180〜360万円です。フィリピンには奨学金制度があり、旅行シーズンを避ければ快適に学べる環境を格安で用意できます。
フィリピンに親子留学するメリットは、英語教育に加えて中国語の勉強にも対応しており、バイリンガルを目指す場所としても優れていることです。
また、急成長によって物価が上がりつつあるものの、依然として格安で留学できる先として人気があります。
カナダ
カナダは、多国籍・多民族・多言語による「多様な文化、価値観が混在する」移民国家です。
雄大な自然に囲まれたカナダの人々は穏やかでフレンドリーで、英語初心者に優しい国として知られています。英語圏として知られていますが、カナダの公用語は英語とフランス語で、街には両言語の表示が溢れています。
カナダの親子留学に必要な費用の目安は、全て含めて1ヶ月で約50～88万円、1年間で約440～660万円です。
カナダに親子留学するメリットは、世界でも評価されている高い水準の教育が受けられること、多国籍の友人ができ、異文化理解と価値観の違いを尊重できるようになることです。一方、デメリットとしては、日本よりも冬が長くて寒さが厳しいことが挙げられます。
また、カナダでは親が学生ビザや就労ビザを持っていると、子供は無料で公立の小学校に通うことができる州もあります。
親子海外留学の滞在方法
親子海外留学の滞在方法には、大きく分けてホームステイとマンションやアパートメントなどの独立した滞在先の2つがあります。
ホームステイ
ホームステイは、現地のホストファミリー宅に滞在する方法です。ホストファミリーとの交流を通して、生きた英語を学ぶことができます。また、現地の文化や習慣を直接体験できるのも魅力です。
コンドミニアム（マンション）滞在
コンドミニアムやアパートメントに滞在する方法は、プライバシーが確保され、自由な生活を送ることができます。ただし、ホームステイと比べると現地の人々との交流の機会は少なくなります。
親子海外留学にかかる費用の目安
親子海外留学にかかる費用は、留学先や期間、滞在方法などによって大きく異なります。一般的に、学費、滞在費、渡航費、生活費などを考慮する必要があります。
以下の表は、人気の親子海外留学先における留学期間ごとのおおよその費用です。
| 国名 | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 半年 | 1年 |
|---|---|---|---|---|
| アメリカ | 55～130万円 | 110～320万円 | 165～550万円 | 440～1100万円 |
| カナダ | 55～88万円 | 99～220万円 | 220～330万円 | 440～660万円 |
| オーストラリア | 55～99万円 | 110～220万円 | 220～440万円 | 440～825万円 |
| ニュージーランド | 44～99万円 | 99～220万円 | 220～385万円 | 385～660万円 |
| イギリス | 55～110万円 | 110～275万円 | 220～550万円 | 385～990万円 |
| ハワイ | 55～110万円 | 110～220万円 | 220～440万円 | 440～880万円 |
これらの費用は、あくまでも目安であり、実際の費用は留学プログラムや家族構成、滞在スタイル、為替レートによって異なります。
親子海外留学のメリットとデメリット
親子海外留学にはさまざまなメリットがある一方で、デメリットも存在します。留学を検討する際は、これらを十分に理解し、家族で話し合うことが大切です。
親子海外留学のメリット
親子海外留学の最大のメリットは、子どもの英語力向上です。現地の学校やプログラムに参加することで、子どもは自然に英語を習得することができます。
また、親子で異文化を体験することで、グローバルな感覚を養うこともできます。親子の絆を深めるという点でも、親子海外留学は有効です。
親子海外留学のデメリット
親子海外留学のデメリットとしては、帰国後の英語学習の継続をしなければならない点が挙げられます。せっかく身につけた英語力も、帰国後に使う機会がないと徐々に衰えてしまいます。
また、留学期間が短いと、十分な語学力の向上が見込めない可能性があります。留学シーズンには現地で日本人家族が多くなるため、日本語を使う機会も増えてしまうことがあります。
さらに、子どもの分の費用負担も大きくなるため、家計への影響も考慮する必要があります。
親子海外留学の手続きとサポート
親子海外留学を実現するためには、各種手続きが必要です。また、留学中のサポート体制も重要な要素です。
親子海外留学の手続きの流れ
親子海外留学の手続きには、ビザの取得、学校や滞在先の手配、保険の加入などが含まれます。これらの手続きは複雑で時間がかかることもあるため、余裕を持って準備を進める必要があります。
留学エージェントの活用
親子海外留学の手続きを円滑に進めるために、留学エージェントを活用するのも一つの方法です。留学エージェントは、家族のニーズに合ったプランの提案、手続きのサポート、留学中の現地サポートなど、様々な場面で力になってくれます。
留学先学校のサポート体制
留学先の学校のサポート体制も、親子海外留学を成功させるための重要な要素です。子どもの学習面でのサポートはもちろん、生活面でのサポートも充実しているかどうかを確認しておきましょう。
トラブル対応と保険加入の重要性
親子海外留学中は、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。そのような場合に備えて、留学先の緊急連絡先を把握しておくことが大切です。
また、留学中の疾病や事故に備えて、海外旅行保険への加入は必須です。
まとめ
親子海外留学は、子どもの語学力向上や国際感覚の養成に効果的な教育方法として注目を集めています。留学スタイルや留学先、滞在方法など、家族のニーズに合ったプランを選ぶことが大切です。
また、留学前の準備や手続き、留学中のサポート体制にも十分な注意を払う必要があります。
親子海外留学のメリットとデメリットを理解し、家族でよく話し合った上で、留学に臨むことが成功のカギとなるでしょう。
