「イギリス・ロンドンに留学してみたいけど、英語力や資金が心配......。」そんな悩みを持つ人にぴったりなのがイギリスのワーホリ(YMS)制度です。高い語学力や多額の費用がなくても「語学力アップ」「海外での就労経験」「異文化に触れる日々」を、最長2年間の長期滞在で実現できます。
本記事では、ロンドンでワーホリを2年間経験し、通算3年半暮らした筆者が、現地生活にまつわる費用、仕事、住まい探しの実情をわかりやすく紹介。渡航前の不安を少しでも軽くし、自分らしいロンドンライフの一歩を踏み出す参考にしてみてください。
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ロンドンでワーホリしたいなら! 知っておくべき基本情報
イギリスの「ワーホリ(ワーキングホリデー)」は、正確にはYMS(Youth Mobility Scheme)と呼ばれる労働ビザの一種です。一般的なワーホリ制度とは異なり、いくつかの特徴があります。
例えば、他の多くの国では、滞在期間が1年間で、働ける時間や通学可能な期間に制限があります。一方、イギリスのYMSは、最大2年間の滞在が可能で、就労・就学ともに制限はありません。
しかも延長申請なしで2年間フルに滞在できるため「1年じゃ足りない」と感じる人にとって魅力的な制度と言えるでしょう。
2025年版 | イギリスのYMS(ワーキングホリデー)最新情報
筆者が申請をした2016年当時、YMS(イギリスのワーホリ)は抽選制で、定員も1,000人と狭き門でした。ところが2024年からは先着順に変更され、定員も6,000人に拡大。申請のハードルが大幅に下がり、今では多くの日本人が挑戦しやすくなっています。
例えば、2026年4月1日に渡航を予定している場合、6カ月前の2025年10月2日以降に申請可能です。ただし、その時点で定員に達していれば申請できない恐れもあるため、できるだけ早めに行動しましょう。
対象年齢 | 18歳~30歳(申請時) |
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資金証明額 | 2,530ポンド以上(28日連続で保持、かつ申請の31日以内) |
申請開始時期 | 入国予定日の6カ月前から |
入国期限 | 入国予定日から90日以内 ※入国予定日当日でも、1カ月後でも、ビザの有効期限は一緒 |
申請方法 | GOV.UKの公式サイトから。定員に達し次第締切 |
なぜロンドン? ワーホリでイギリスを選ぶメリットとは
イギリスがワーホリ先として選ばれる理由を以下にまとめました。
- 就労・就学の制限なく、2年間滞在できる
- 本場の「イギリス英語」を学べる
- ヨーロッパ諸国へのアクセスが簡単で旅行がしやすい
なかでもロンドンは「多国籍な環境で暮らしたい」「音楽やアート、ファッションなどの最新トレンドに触れたい」人にぴったりの都市です。語学や仕事、旅、異文化交流をすべて体験できるのは、ロンドンならではの魅力と言えるでしょう。
ロンドン生活はいくらかかる?初期費用&1年間の生活費のリアル
イギリス・ロンドンでワーホリ生活をはじめる際の初期費用は、最低でも約117万円が目安です。さらに、「資金証明」が必須で、2,530ポンド(約50万円)を申請の31日以内に28日間連続で銀行口座に保有しなければなりません。
つまり、ビザ申請時点で必要な金額は、資金証明の約50万円に加え、申請料とIHSの約36.5万円。合計で約86.5万円は最低用意しておきましょう。
※2025年6月9日現在のレートで、ポンドから日本円に換算しております(1ポンド=約195円)
ビザ申請料 | 319ポンド(約6.2万円) |
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健康保険付加料(IHS) | 年間776ポンド × 2年分 = 1,552ポンド(約30.3万円) |
航空券代 | 約10万円~ |
家賃(3カ月分) | 約50万円~(月800ポンドのハウスシェアの場合) |
生活費・交通費(3カ月分) | 約20.5万円~(月約350ポンドの場合) |
合計 | 約117万円~ |
リアルな出費を公開! 1年間でかかる生活費
ロンドンでワーホリ生活を送る場合、1年間に必要な生活費は約292.9万円が目安です。これに語学学校の授業料(週300ポンド程度)や外食費、旅費などが加わると、さらに費用はかさみます。
どのような暮らしをしたいかによって、かかる金額は大きく変動します。貯金や見込み収入を考慮し、ご自分に合った資金計画を立てておきましょう。
家賃 | 約187.2万円(月800ポンドのシェアハウス場合) |
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生活費 | 約58.5万円(月約250ポンドの場合)
など |
交通費 | 約47.2万円(月201.6ポンド) ※Zone1~3対象の月額定期券利用の場合 |
合計(1年間) | 約292.9万円(月約1,252ポンドの場合) |
節約のコツは? 筆者が実践した節約テク
物価が高いことで知られるロンドン。無理のないワーホリ生活を送るためには、日々の支出を工夫することが大切です。ここでは、ロンドンに3年半住んだ筆者が実際に行っていた節約方法を紹介します。
自炊する | 外食はランチでも10~20ポンド、ディナーなら50ポンド前後とかなり高めです。 |
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バスを利用する | ロンドンの交通費はゾーン制で、Zone1(中心部)をまたぐ移動は特に割高。 筆者は、Zone1はバス、Zone2以降は電車を使うことで、月約100ポンド節約できました。 |
Zone3以降で家を探す | 家賃はZone1~2が高く、Zone3以降になると比較的安価に。 筆者はZone5に住んでいましたが、中心地まで乗り換えなしで約30分でした。 |
チャリティショップを利用する | 雑貨や食器、服など、1ポンドや10ポンドで掘り出し物が見つかる場合も。 欲しいものがあったら一度覗いてみるのがおすすめです。 |
ロンドンで働くには? 仕事探しと給料のリアル
筆者は渡英4か月目から、日系美容室でレセプションとして勤務していました。ここでは、その実体験をもとに、現地での仕事の探し方や日本人に人気の職種、そして給料の相場について紹介します。
ワーホリでできる仕事一覧&人気職種
以下は、筆者自身や周囲の友人たちが実際に就いていた仕事の一覧です。英語力が最低限でも働ける職種もあれば、中級以上の語学力が求められる仕事もあり、スキルや経験によって選択肢は広がります。
職種によって必要なスキルが異なるため、ご自分の目指す仕事にどのような条件があるかを事前に調べ、準備しておきましょう。
職種 | 英語スキル | |
---|---|---|
経験や専門スキルが 不問な職種 |
日本食レストランのスタッフ | 初級以上 |
イベントの飲食ブースのスタッフ ※日本人スタッフがメインの場合 |
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経験があると 有利な職種 |
日本語講師(オンライン) | 中級以上 |
日系美容室のレセプション | ||
店舗の販売員(GODIVAやスターバックスコーヒーなど) | ||
経験や専門スキルが 必要な職種 |
美容師 | 初級以上 |
航空会社の地上スタッフ | 中級以上 | |
IT関連(日本企業)のオフィスワーカー |
実際の給料はいくら? 体験談と収入例
では、筆者が実際にロンドンで受け取っていた給料を紹介します。リアルな体験談とともに、収入の具体例を見ていきましょう。
職種 | 日系美容室のレセプション |
---|---|
時給 | 7.50ポンドまたは7.83ポンド |
勤務日数 | 週4~5日 |
勤務時間 | 約10時間/日 |
総支給額(月額) | 約1,200~1,300ポンド |
手取り額(月額) | 約1,050~1,150ポンド ※所得税や保険料で約12%(当時)引かれた額です |
筆者が滞在していた2017年4月~2019年3月当時の最低時給は、2018年3月までは7.50ポンド、2018年4月以降は7.83ポンドでした。住んでいたのはZone5で、家賃は月400ポンド。食費や交通費、たまに旅行に出かけても、無理なく生活できる収入でした。
※2025年4月以降、21歳以上の最低時給は12.21ポンドに引き上げられています。ただし、物価や家賃も上昇している点には注意が必要です。
仕事の探し方&おすすめ求人サイト
ロンドンでの仕事探しには、日本語サイトの「MixB」がよく使われています。英語に自信がない方は、まず日本語求人からスタートするのがおすすめです。
英語力が中級以上ある場合や企業系の求人に挑戦したい人は、日本の人材紹介会社に登録するのも一つの方法です。また、語学力を活かして現地企業で働きたい場合は、英語サイトを活用してみましょう。
日本語サイト | MixB、イギリス掲示板など |
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日本の人材紹介会社 | Centre People、JAC Recruitment、People Firstなど |
英語サイト | Indeed、Linkedinなど |
その他、語学学校の掲示板で求人が見つかるケースもあります。さまざまな方向に目を向け、よりご自分に合った仕事を見つけましょう。
英語力が不安でも稼げる? 成功のポイントとは
英語に自信がなくても「日本食レストラン」や日本人スタッフが多い「イベントの飲食ブース」などで稼ぐことは可能です。しかし、職場に日本人が多く、英語を使う機会が限られるため、語学力の向上にはつながりにくいでしょう。
今後のキャリアに役立つ英語力を身につけられる仕事を見つけたいなら、まず語学学校に3カ月~半年ほど通うのも有効です。ただし、英検2級レベル程度の基礎は日本で習得し、現地では英語でのコミュニケーション力の向上を目指しましょう。
家賃が高いロンドンでどう住む? 家探しのコツ
家賃が高いロンドンでは、家を1人で借りるのは負担が大きく、ハウスシェアが主流です。ロンドンで人気のエリアや物件の探し方、そして契約時に気を付けたポイントを紹介します。
ワーホリで住む場所はどこが人気? エリア別に解説
ロンドンでワーホリの滞在先として人気が高いのは北西エリアです。ただし、予算や生活スタイルによって最適なエリアは異なります。
テムズ川を基準に4つのエリアに分け、それぞれの特徴をまとめました。治安や家賃、交通の利便性など、自分に合った条件を考慮して選びましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
北西 | 治安が比較的よく、日本人が多い | 家賃が高め |
北東 | 個性的なマーケットが豊富で、家賃が安め | 場所によっては治安が悪い |
南西 | 緑が多く、ファミリー層に人気 | 地下鉄の駅が少なく、通勤や通学に時間がかかる場合あり |
南東 | 人気上昇中の再開発エリアで、新しい物件が多い | 一部、治安や交通の便が悪い地域あり |
家賃の目安&物件の探し方
ロンドンで家を借りる場合、Zone2~3では家賃が月800ポンド前後が目安です。専用バスルームの有無や部屋の広さ、エリアによっても変動します。もう少し費用を抑えたいなら、Zone4~5も選択肢の一つ。600ポンド前後で探せる物件もあり、自然が多く静かな環境が魅力です。
以下に、筆者が利用したエージェントやサイトを紹介します。日本人専用物件を扱うエージェントもあり、初めての方でも安心して家探しができるでしょう。
日本のエージェント | サクラプロパティ |
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日本語サイト | MixB |
英語サイト | Spare Room |
トラブルを避けるために! 物件契約の注意点
契約時のトラブルを避けるために、以下の点を必ず確認しましょう。
- 時間をかけて契約書をよく読む
- 内見は必ず実施する
- 治安や周辺環境を昼夜で確認する
- 同居人の人柄や生活スタイルをチェックする
- 契約前に送金しない
契約書には、契約期間や家賃、デポジットの返却条件、光熱費込または別、共用部のルールなど、重要事項が含まれます。英語を読むのに時間がかかる場合は、確認の時間をもらいましょう。不安なら、英語に強い知人と同行するのがおすすめです。
ロンドンで安全に暮らすには? 知っておきたい治安&防犯対策
筆者が実際ロンドンに3年半住んでみて、他のヨーロッパ各国に比べて治安は良いと感じました。しかし、スリや置き引きの被害を耳にした経験があるのも事実です。以下のような基本的な防犯対策を心がけるだけでも、被害を防ぎやすくなるでしょう。
- 貴重品はテーブルの上に置かない
- かばんは膝の上に乗せてで抱える
- スマートフォンはストラップで体とつなげる
- カード類はスキミング防止ケースに入れる
- 歩きスマホやバス停での操作は避ける
- 観光客に見られないよう、シンプルな服装を選ぶ
特にスマートフォンの盗難が多く、自転車で奪われるケースもあります。屋外では油断せず、スマホの使用は最小限にとどめましょう。
ロンドンのワーホリ生活は「お金・仕事・家探し」の準備がカギ!理想の滞在を実現しよう
ロンドンでのワーホリ生活を充実させるには、事前の「お金・仕事・家探し」の準備がとても重要です。物価は高めですが、工夫次第で無理なく暮らせる環境が整っています。
多国籍な街・ロンドンは、新しい出会いや価値観、そして語学力アップのチャンスにも満ちた場所です。計画的に準備を進めて、あなただけの理想のワーホリ生活を実現してみませんか?