海外留学は、大学生活を充実させ、将来のキャリアにもつながる貴重な経験です。この記事では、長期留学や短期留学、インターンシップなどの種類や特徴、費用、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
初めての留学を検討している方も、具体的な計画を立てたい方も、ぜひ参考にしてください。
大学生の海外留学の種類
まずは、大学生の海外留学の種類を紹介します。自分に合った留学スタイルを見つけましょう。
長期海外留学
長期海外留学は通常、半年から一年以上の期間を現地で過ごします。主な長期留学の方法は、以下のとおりです。
- 交換留学:半年~1年間
- 自分の大学と協定を結ぶ外国の大学へ留学。所属大学の学費のみ負担。単位が認められ、最短4年で卒業可能。
- 認定留学:1年間
- 自分の大学が認定する外国の大学へ留学。選択肢は多いが、所属大学と留学先両方の学費負担が多い。単位認定は大学による。
- 正規留学:4年間
- 海外大学に入学し、学位を取得。4年間全て海外で学び、現地の大学を卒業。海外大学の入試合格が必要。
長期留学にはいくつかの選択肢があります。交換留学は、協定を結んだ外国の大学で半年〜1年間学びます。
認定留学は、1年間認定校で学ぶ方法で、選択肢が広い一方、単位認定は大学次第です。
正規留学は、海外大学に入学して4年間現地で学び、学位を取得します。
短期海外留学
数週間から数ヶ月間の短期海外留学は、学業やアルバイトとの両立がしやすく、初めての海外留学として最適です。特に、大学の夏休みや春休みを利用したプログラムが人気で、語学学校で外国語を集中的に学びながら、ホームステイで現地の生活を体験することができます。
短期間であっても海外留学を通して、語学の重要性を再認識し帰国後もスキルアップや習得に務めるきっかけになります。また、好奇心や積極性という社会生活を送るうえで最も重要な意識を培うことができます。
海外インターン
実社会での経験を積むことができる海外インターンは、将来のキャリア形成に役立つ実践的なスキルを学べる絶好の機会です。特にキャリアビジョンが明確な学生にとっては、仕事の現場での経験を通じて具体的な目標に近づける有意義な体験となります。
大学生の場合、短期プログラムに参加するケースも多く、海外での生活と仕事を両立できる点が特徴です。さらに、一部のプログラムでは、働いた分の給与が支給されることもあり、経済的なメリットも得られます。
資格取得のための留学
資格取得を目的とした留学は、語学力を高めながら専門的なスキルを身につける絶好のチャンスです。人気の資格には、ヨガインストラクターやバリスタなどがあり、短期で取得可能なものから時間をかけて学ぶものまで様々あります。
ワーキングホリデー
就業経験を積みながら海外生活を楽しむことができるのがワーキングホリデーです。ワーホリは、海外で働くという貴重な体験をすることができて、なおかつ現地での生活費を賄うことができます。また、仕事以外の時間は語学力を伸ばすために勉強をしたり、現地を旅行するなどの体験もできます。大学を休学して一定期間ワーホリに行く学生は多いです。
ボランティア留学
社会貢献をしながら異文化に触れたい学生には、国際協力の現場でのボランティア活動が最適です。国際協力NGOなどが提供するプログラムでは、教育支援や環境保護活動など多岐にわたる選択肢があり、個人の価値観や目的に合わせて参加できます。
数週間程度の短期間で活動できる点が大学生にとって魅力的です。派遣先には開発途上国が多く、現地での活動を通じて、インフラ開発、産業育成、貧困解消などの国際的な課題の解決に貢献できます。
大学生の学年ごとの海外留学の目的
大学生の学年ごとの海外留学の目的やおすすめの方法について解説します。
大学1年生の海外留学
大学生活が始まったばかりの1年生には、夏休みなどの長期休暇を利用して短期の語学留学やボランティア活動、ワーホリ留学をするのも良いでしょう。
初めて海外留学する人ならば、まずは短期留学を経験してみて、夢や目標を見つけることでこれからの大学生活の過ごし方について考える機会づくりにもなります。
大学2年生での本格的な留学を考えている場合、まず「英語のスキルアップをする」「海外生活を体験する」というのは良いステップとなるでしょう。
大学2年生の海外留学
大学生活にも慣れてきた2年生は、視野を広げるために長期の語学留学やインターンシップに挑戦する絶好のタイミングです。
一般教養の学びが深まる中で、海外での経験を通じて語学力をさらに高めたり、国際感覚を養うことができます。また、海外の大学で学びたい分野がある場合、1年間の休学や認定留学を活用するのも一つの選択肢です。
大学3年生の海外留学
大学3年生での留学は、キャリアプランや就職活動を見据えた計画が重要になります。
就職を目指す企業の募集要件に応じて、語学力を強化する留学を選んだり、インターンシップや資格取得を目的とした留学も効果的です。「留学を通して何を学び、どう成長したのか」を整理して自己PRに活かしましょう。
現地で得た知見や経験は、就職活動だけでなく、その後の社会生活や人生において財産となることでしょう。
大学4年生の海外留学
大学4年生にとっての卒業前の海外留学は自分の可能性を伸ばすための貴重な機会です。就職内定が出て単位も順調に取得しているなら、あとは卒論を提出するのみですので時間的な余裕もあるでしょう。
「短期留学で語学力をアップする」「海外ボランティアで視野を広げる」など、自由な時間を有意義に過ごすことが出来るチャンスです。社会人になってからは、留学はそう簡単にではできませんので、海外生活に興味がある方は是非トライしてみるとよいでしょう。
大学生に人気の留学先
自分と同じ大学生がどこの国に留学しているのか気になる方も多いでしょう。
関西大学が学生に人気の留学先を聞いてみた興味深いランキング記事がありますので紹介します。留学先選びの参考になさってください。
1位 カナダ
2位 アメリカ
3位 オーストラリア
4位 フィリピン
5位 イギリス
6位 タイ
7位 台湾(同率)
7位 ニュージーランド(同率)
9位 シンガポール
10位 韓国
この結果を見ると、ランキング上位は欧米の英語圏の国が多いです。また、4位にはフィリピンもランキングされていることから、英語を学ぶ目的で留学する大学生が多いようです。
大学生の海外留学のメリット・デメリット
次に、大学生の海外留学のメリット・デメリットを紹介します。
大学生の海外留学のメリット
大学生のうちに留学することには、たくさんのメリットがあります。社会人としての生活が目前に迫る大学生は、スキルを磨き視野を広げ柔軟性や適応力といった成長力を培うことが重要です。これらのことが海外留学を通して得ることができます。
また、大学院進学や卒業後のキャリアにも役立つ国際的な人脈を築けることも大きな魅力です。語学力や異文化への対応力、挑戦する力は就職活動でも大きな武器となり、グローバル化が進む社会で競争力が高い人材として自身の価値を高めることができます。
大学生の海外留学のデメリット
大学生の留学にはいくつかのデメリットも存在します。まず、渡航費や学費、滞在費など費用面の負担が大きいでしょう。自分でアルバイトするだけでは留学資金を用意することは困難ですので、親からの援助が必要になるでしょう。
また、単なる留学経験だけでは就職の際に遊学とみなされて企業からの評価に直結しない場合があります。TOEICスコアの向上やインターンシップ経験など、具体的な成果を残す取り組みが求められます。
大学生の海外留学の費用相場
大学生の海外留学にかかる費用相場を表にまとめました。留学する国や学校、学ぶプラン、宿泊場所などによって当然費用は異なりますが、参考数値としてご覧ください。
留学の種類 | 期間 | 費用 |
---|---|---|
長期海外留学 | 1年 | 約200〜500万円 |
短期海外留学 | 1週間 | 約20〜50万円 |
海外インターン | 1年 | 約150〜300万円 |
資格取得のための留学 | 1年 | 約120〜300万円 |
ワーキングホリデー | 1年 | 約100〜140万円 |
ボランティア留学 | 1ヶ月 | 約30〜50万円 |
大学生には短期海外留学もおすすめ
海外留学は体験したくても経済的な理由や時間的な制約があって簡単にできるものではありません。長期留学ならば尚更です。
費用や時間がネックになっている場合、短期留学を選択するという方法があります。上記の費用相場の項目で説明しましたように、海外短期留学ならば約20万円~から実現することが可能です。
例えば、フィリピンのセブ島のような場所なら安い費用で英語短期留学ができます。また、アメリカやオーストラリアでも、地方都市ならば留学費用や生活コストを抑えられるケースもあります。
例え、短期であっても海外の学校で授業を受けて、現地で生活をすることで多くの学びを得られるでしょう。
今はお金が無いけれど、将来は「海外で働きたい」「外国に住んでみたい」「外資系の会社で働きたい」といった希望を持っている大学生ならば、短期留学を経験することで、その夢を実現できるきっかけとなるかもしれません。
大学生の短期海外留学におすすめの国
短期海外留学を成功させるためには、渡航先の選択が非常に重要です。選ぶ国によって、得られる経験や学びは大きく変わります。
大学生の短期海外留学におすすめの国を紹介します。
アメリカ
アメリカは世界で最も豊かな国であり、それに比例して教育水準も高いです。工学、IT、アート、エンターテイメントなど、様々な分野で世界をリードしており、それらの人材を育てる最先端の学校もあります。西海岸、東海岸、ハワイなど、短期留学性を受け入れる学校はたくさんあります。
オーストラリア
オーストラリアは、雄大な自然と温暖な気候、治安の良さから日本人に人気の留学先です。シドニーやメルボルンなど都市部には世界からも多くの留学生が滞在しておりダイバーシティとしても有名です。短期留学のプログラムを用意している語学学校もたくさんあります。
ニュージーランド
ニュージーランドは、教育に力を入れる国として有名で先進的なシステムの学校が多いです。短期留学が可能な語学学校には日本人生徒もたくさん留学しています。他の欧米国と比べて留学コストが安いのも大きな魅力です。海、山、氷河、火山といった壮大な自然がありますので、学校が休みの日にはアウトドア活動を楽しむことができます。
カナダ
カナダは充実した教育システムがあり、多様な人種を受け入れることができる多文化社会ですので日本人の留学先として人気です。生活しやすい住環境で治安も比較的安定していますので、勉強に打ち込める環境が用意されています。大学の多くが公立で、どの大学も高い教育水準を維持しており、大学間の格差がほとんど見られません。留学生にとっても、質の高い教育を低コストで受けられることが大きな魅力となっています。
フィリピン
フィリピンは英語を準母国語とする国です。国民の多くが日常会話に英語を使うことができます。国内第二の都市セブシティにはたくさんの英語学校があり、日本人大学生も多くの人が短期留学をしています。充実した英語学習プログラムが用意されており、安い費用でマンツーマンレッスンを受けられるというメリットがあります。
大学生の海外留学に関するよくある質問
最後に、大学生の海外留学に関するよくある質問をまとめました。疑問を解消し、有意義な海外留学を実現しましょう。
大学生の海外留学の準備はいつ頃から始める?
留学の半年から一年以上前には計画を始めるのが理想的です。ビザの取得や語学試験の準備、学校選びなど、計画的に進める必要があります。
大学生の海外留学に語学力はどれくらい必要?
留学に必要な語学力は留学先やプログラムによって異なります。多くの場合、事前に語学試験のスコアが必要とされることがあり、例えばアメリカでは英検2級以上、カナダやイギリス、オーストラリア、ニュージーランドでは準1級以上の英語力が求められることが一般的です。
一方で、語学留学では多くの学校が生徒の英語力のレベルに応じた授業を提供しています。自分の語学力はあまり気にせず、まずは飛び込んでみるというのも一つの方法です。
専門学校や大学の中には付属の英語学校を併設している学校もあります。付属の英語コースで語学力を磨き、必要なレベルに達してから、併設校に進学するという道もあります。
大学生の海外留学のために必要な書類は?
パスポート、ビザ、英文の成績証明書、語学試験のスコア証明書、入学許可証などが一般的に必要です。各国の条件を確認しましょう。
大学生の海外留学の費用を抑える方法は?
渡航費を節約するにはオフシーズンの航空券を狙い、格安航空会社を利用すれば渡航費は抑えられます。滞在費は、寮に入るかシェアハウスに住むなどすれば費用は抑えられます。生活費については、自炊中心の生活を心がけ、安価なスーパーを利用することで節約が可能です。
奨学金制度を活用するのも有効で、返済不要の給付型を提供するプログラムもあります。インターンシップを通じて生活費を賄う方法もおすすめです。
まとめ
大学生の海外留学は、長期・短期留学、インターンシップ、資格取得など多様な選択肢があります。目的や予算、学年に合わせて最適なプランを選び、計画的に準備することが重要です。
留学について詳しく知りたい場合、在学中の大学に相談することで提携する学校などを案内してくれるでしょう。また、さらに留学先の選択肢を広げたい場合は留学エージェントに相談してみることも有効は手段です。
海外留学で培った経験は、何事にも代え難く、その後のキャリアにおいてもかけがえのない財産となるでしょう。充実した海外留学を実現してください。