アイルランドは、相対的なコスパの良さや本場の英語が学べる環境、日本人留学生の少なさなど、英語学習に恵まれた環境で近年最も注目を集めている留学先のひとつです。
アイルランド留学を検討している方の中には、アイルランドの全般的な治安やトラブル事例・予防策について詳しく知っておきたいと考えている人も多いでしょう。
実はアイルランドは、近隣のイギリスや北米のカナダ・アメリカのような英語圏の国々はもちろん、世界中の先進諸国と比較しても上位レベルの治安の良さをほこっています。
ただし、筆者の海外経験から言うと、日本と同じ感覚で過ごしていると危険な目にあうリスクがあることも事実。そのため、リスクを知って適切に対策することが大切です。
本記事では、アイルランドの基本情報や治安情報、留学経験者の立場から見たアイルランドで気をつけるべき犯罪、トラブル事例と回避方法についてご紹介します。
アイルランドの治安情報を知ったうえで、留学にチャレンジしたい方は必見です。
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アイルランドの基本情報|気になる治安は?
日本の外務省が公表しているアイルランドの基本情報は以下のとおりです。
面積 | 7万300平方キロメートル ※北海道の8割強の面積 |
---|---|
人口 ※2022年国勢調査による |
約515万人 (うち首都のダブリンに145.8万人) |
公用語 | 英語、アイルランド語(ゲール語) |
宗教 | 国民の約69%がカトリック教徒 |
時差 | -9時間(サマータイムは-8時間) |
通貨 | ユーロ € |
プラグのタイプ | BF |
イギリスの植民地支配、その後は連邦内の自治領として併合されてきたアイルランドですが、1949年にイギリス連邦を脱退して以降、独立国としての歴史を歩みはじめました。
筆者の意見では、以下のようなメリット・デメリットがあります。
【メリット】
- 先進諸国の中では比較的コスパがいい
- 生活環境に自然が豊かで治安がいい
- まだまだ日本人比率が少なめ
【デメリット】
- 首都ダブリンでも都会的な生活とは程遠い
- 雨続きで日本食・日本食料品店が少ない
- アイルランドなまりの英語に慣れが必要
アイルランドの魅力は、何といっても相対的なコスパの良さや治安の良さ、独自のケルト文化に触れられる体験の豊富さに加え、日本人留学生の比率があまり高くない点です。
とくに日本人留学生の少なさは英語のアウトプット量に直結する重要なポイント。日本語と日本食との接点は少なくなってしまう一方で、英語のみの環境にどっぷりと浸れます。
ただし、「アイルランド英語にはなまりがあり慣れが必要」という点に注意です。
アイルランドは、語学留学の目的を本気で達成したい方におすすめの選択肢です。
世界平和度指数(GPI)は世界第二位
アイルランドは世界で見ても治安のいい国です。2024年版の世界平和度指数(GPI)ランキングを見てみると、アイルランドは世界第二位の平和度指数を記録しています。
- 1位 アイスランド
- 2位 アイルランド
- 3位 オーストリア
- 4位 ニュージーランド
- 5位 シンガポール
- 6位 スイス
- 7位 ポルトガル
- 8位 デンマーク
- 9位 スロヴェニア
- 10位 マレーシア
出典: Institute for Economics & Peace|Global Peace Index 2024
日本は17位にランクインしていることからも、アイルランドの治安の良さが際立ちます。また、外務省の海外安全ホームページで確認しても、危険なエリアは指定されていません。
ただし、2023年のアイルランドにおける年間犯罪発生件数は約19万5千件と前年度比で8.3%も増加。とくに窃盗事件の数が急増している点には注意が必要です。
筆者の意見としては、外出中は気を張っている状態が普通だと考えています。
参考:
外務省 海外安全ホームページ|アイルランド 危険・スポット・広域情報
外務省 海外安全ホームページ|安全対策基礎データ
アイルランドの留学先として人気の街の特徴・治安
アイルランド留学においては、首都ダブリンを含むいくつかの街が留学の候補になるでしょう。留学先として人気の街・エリアの特徴については、以下のようにまとめられます。
【首都 ダブリン】
- 都市で便利に暮らしたい方向け
- アイルランド独自のパブ文化を満喫できる
- スリや置き引きなどの犯罪には要注意
- 北側の7・8地区は治安が悪いという情報もある
【古都 コーク】
- 自然豊かなコンパクトな街で暮らしたい方向け
- 新鮮な野菜や乳製品が食べられる
- ダブリンよりも滞在費用が安い
- 夜中の一人歩きや人混みエリアは避けるべき
【港町 ゴールウェイ】
- アイルランドらしさを感じる港町
- 可愛らしい街並みで街歩きが楽しい
- 人口の約1/3が学生という活気のある街
- 日本人が少なくて治安がいい
このように、選ぶ街によって留学生活はがらっと変わります。アイルランド留学に求めている生活スタイルや留学環境を考慮して、ベストな留学先を見つけてみては?
治安はいいけど?アイルランド留学でも気をつけるべき犯罪
アイルランドでは、以下の5つの犯罪のリスクも想定しておきましょう。
- スリやひったくり、置き引き
- 車上荒らし・空き巣
- 偽警官による詐欺
- 繁華街での暴力・恫喝
- 薬物の罠・誘惑
治安のいいアイルランド留学ですが、最低限の防犯対策は知っておくことが重要です。
1.スリやひったくり、置き引き
アイルランドでは、スリやひったくり、置き引き、路上強盗の事件が報告されています。とくにダブリンのオコンネル通りやグラフトン通り、テンプルバー地区などは要注意です。
また、ショッピングセンターやホテル、パブなど、人混みの多いエリアも危険です。日本と同じ感覚で貴重品管理していると、盗られてしまうリスクを考えておきましょう。
筆者がおすすめする防犯対策は、現金の入った財布とクレジットカードを別々の入れ物で管理する方法です。万が一、どちらかが入ったバッグを盗られたとしても一文無しになるのは避けられます。
最悪の場合を想定して、靴底やベルトの裏などに100ユーロ程度の現金を隠しておくのもおすすめです。
2.車上荒らし・空き巣
治安のいいアイルランドでも、車上荒らしのリスクがあります。ショッピングモールや繁華街などに停めている車に貴重品を置いたままにするのは危険なのでやめましょう。
滞在先でルームメイトや管理人に貴重品を盗まれるリスクも考えて行動すべきです。
3.偽警官による詐欺
アイルランドでは偽警官による詐欺・窃盗も報告されています。警察官が職務質問の場でなんらかの罰金を請求することはありません。もし警官らしき人から職務質問されたら、相手の身分証とIDを警察に通報して、本当の警察官かどうかチェックしましょう。
留学中となると見知らぬ人から声をかけられて反応してしまう方も少なくありません。相手を見て信用できるかどうかのセンサーを働かせましょう。
4.繁華街での暴力・恫喝
ダブリン市内・郊外では不良少年・少女グループによる暴力・恫喝事件も起きています。あたりが暗くなってきたら外出は控えて、怪しいグループとの接触は極力避けましょう。
筆者の経験では、信頼できるクラスメートたちと大人数での打ち上げや娯楽に繁華街に繰り出す場合には、危ないシーンに遭遇しても助けてくれるケースがほとんどです。
しかし、小人数や1人だけで繁華街に行くと危険に抵抗できないリスクが高まります。夜の繁華街を訪れる際は、信用できる友人たちと一緒に行動することが大切です。
5.薬物の罠・誘惑
治安のいいアイルランドですが、都市部の夜中のパブや路地裏などでは薬物の勧誘を受けるケースも考えられます。薬物所持・売買が発覚すると強制退去を余儀なくされてしまうこともあるため、薬物取引をやっている疑惑のある現場からはすぐに立ち去りましょう。
【留学経験者が語る】アイルランド留学でよくあるトラブル事例
アイルランド留学を成功させるためには、留学経験者たちのトラブル事例を学ぶことが非常に重要です。ここでは、トラブルの原因と回避方法についてチェックしましょう。
1.ホームステイ先と合わずにストレスを感じる
ホームステイで滞在する場合は、ホストファミリーとコミュニケーションをとっていく中でストレスを感じてしまうこともあります。
たとえば、部屋が寒くてもホストファミリーに暖房をつけてもらえず、子どもや犬の世話を任されることもあるでしょう。また、食事に不満があってもメニューを変えてもらえず、日々の生活が苦痛に感じてしまうことも。
とくに長期間にわたってアイルランド留学したいと考えている方は、ホストファミリー選び、もしくは寮やアパート暮らしなどの滞在スタイルの選択を考えましょう。
2.友達づくりに苦労した
日本人留学生の比率が1割以下の環境が一般的なアイルランドでは、ほとんどの方が日本を出てはじめて日本人以外の人種に囲まれるという経験をすることになるでしょう。
英語で意思疎通できる友達をつくるのが語学を学ぶための近道です。慣れない英語で他人に声をかけるのは勇気がいることですが、せっかくアイルランド留学をするのにクラスの授業以外で英語を話せる友人を作らないのはもったいないというのが筆者の意見です。
日本から離れて心細くなることも多い留学生活において、やっとのことで生まれた仲間は一生の宝になります。まずは勇気を出して話しかけてみてはいかがでしょうか。
3.書類申請・ビザ延長時の書類の不備
アイルランド留学に限らず、留学中は入学申請や授業料・SIMカードの支払い、ビザ延長申請手続きなど、こなさなければならない書類手続きは数多く存在します。こうした書類に不備が見つかると、面倒な手続きが増えて留学生活の負担になってしまうのがリスクです。
書類手続きの期限や提出フォーマットに関する情報には常にアンテナを張りましょう。
4.病気や怪我時の対応
アイルランド留学中に交通事故に遭ったり、急な病気にかかったりしてしまう可能性もあります。海外の医療機関を利用するのは言語面・金銭面でかなりハードルが高いです。
筆者は現地の病院にかかったことがありますが、外国語で予約をとり、医師の診察を理解するのはかなりハードルが高いと感じました。幸いなことに筆者は軽い病気でしたが、重い怪我や病気の場合は、医師の診断や助言を誤解すると自分の命に関わるリスクもあります。
緊急時に備えて、現地で病院の予約や翻訳サポートをしてくれるアイルランド留学のエージェントを利用したり、海外留学保険などに加入したりするのがおすすめです。
アイルランドの治安に関連するよくある質問
アイルランドの治安に関しては、以下のような質問がよく挙げられます。
- Q1.もしもの場合に備えて知っておくべき連絡先は?
- Q2.おすすめの防犯グッズは?
- Q3.アイルランドの入国審査は厳しいの?
ここでは、よくある質問とそれに対する答えについてチェックしましょう。
Q1.もしもの場合に備えて知っておくべき連絡先は?
アイルランドでトラブルに遭ったときに備えて、以下の連絡先を控えておきましょう。
- 緊急通報:「999」か「112」で警察・消防・救急につながる
- 日本国大使館サポート:メール consular@ir.mofa.go.jp、電話 01-202-8300
- 外国人犯罪被害者向け支援サービス:メール info@touristsos.ie、電話 01-661-0562
留学エージェントや保険会社を利用する方は、会社の問い合わせ先も控えておくべきです。
Q2.おすすめの防犯グッズは?
治安のいいアイルランドですが、防犯グッズをいくつか持っておくと安心です。
- 防犯ブザー:危険な目にあった際にブザーを鳴らせる
- 南京錠:施錠されていないロッカーなどに鍵をつけられる
- セキュリティポーチ:貴重品をより安全に持ち運べる
- リュックカバー:後ろがけリュックの盗難被害を防止できる
- スキミング防止カードケース:カードのスキミング被害を防止できる
海外滞在中に窃盗被害を予防するためには、最低限でも以上のアイテムをそろえられるとよりベストでしょう。スキミング被害も横行しているのでカードケースは必須アイテムです。
スキミングとはカードの情報をスキャンしてカードを複製する犯罪のことです。複製されたカードは犯罪者に利用されます。
Q3.アイルランドの入国審査は厳しいの?
アイルランドの入国審査は厳しいものとなっており、就学ビザで入国する際には入学許可レターと入学金等の支払い済み証明書を求められます。これらの証明書を持っていない、もしくは滞在場所が決まっていない場合は、入国拒否される可能性もあるので注意しましょう。
治安のいいアイルランドで留学生活を満喫しよう!
この記事では、アイルランドの基本情報や治安、治安のいいアイルランドで起こりうる犯罪やアイルランド留学のトラブル事例、よくある質問についてご紹介しました。
アイルランドは世界的にみても治安がいい国ですが、エリアによっては窃盗・詐欺・恐喝・薬物の誘惑といった犯罪に遭遇してしまうリスクもあります。
犯罪対策は怠らずに、治安のいいアイルランドでの留学生活を成功させましょう。